皆さまこんにちは。
今回は「今と昔の卓球の違い」についてお話したいと思います
まず、何をもって「今と昔」を判断するのかですが
私が現役の選手だった頃は、卓球の歴史の中でも「大きな変革」がありました
私が中学生の時は卓球は世界的に見ても、今ほどメジャーな競技ではありませんでした
理由は「派手な動きが少ない」「すぐにラリーが終わる」などといった地味な印象からでした
そこで、国際卓球連盟会長の「アダム・シャララ」氏が「大幅なルール変更」に伴い卓球という競技自体の変革に挑むわけです
当時サーブはフリーハンドでインパクトを隠して強烈な回転をかけても見えにくく、サーブのみでの得点や3球目攻撃の決定率が物凄く高いものでした
また21点という長いゲーム時間も見てる側からすると飽きやすくなる要因で、そこを11点先取にすることでゲームの序盤から緊迫感のあるラリーをさせることがシャララ会長の狙いでした
そして最も選手に大きな影響を与えたのは38mmのボールを40mmに変更したことです
これは言わずもがな、ボールを大きくしてラリーを続きやすくするのが狙いです。
最近ではラバーの接着剤についていろいろ問題があるようですが、これも禁止にしたことで比較的卓球競技全体のラリーの回数は大きく増加したでしょう
こういった変革をし始めたのが、もう12.3年前のことですがこの10年で選手たちのプレースタイルは大きく変化・進化し、結果的にシャララ会長の変革は個人的には大成功だったと思います
話を戻して、ルールが変更され始めた約10年前が「昔」で、多くのメディアが卓球を取り上げメジャースポーツとして認知され始めたこの2.3年を「現代卓球」として定義します
今と昔の卓球のレベルでは圧倒的に今の卓球の方がレベルが高いですが、やはりプレースタイルが大きく違います
当時トップだった選手をおおまかに並べてみると
王励勤、馬琳、劉国梁(リュウ・グオリャン、字が合ってるかわかりません)、孔令輝、キムテクス、ワルドナー、ガシアン…
挙げだしたらキリがありませんが、ほとんどの選手がフォアハンドを主な決定打としていた選手がとても多いです
当時は、もちろんバックハンドも上手くてバックハンドで得点することも可能ですが、やはりバックは守りの技術でラリーになったら最後はフォアで決めるといったスタイルが主流でした
先ほども述べましたが、当時は3球目攻撃がやりやすく特にワルドナーとリュウ・グオリャン選手は当時世界トップレベルのサーブと3球目攻撃の決定率を誇っていました
後ろに下がってラリーになってもバックでしのいで打点を落としてでもフォアで返してフォア対フォアのラリーに持っていくのが当時の醍醐味でした
しかし、大幅なルール変更によって今はそれが大きく変わりました
サーブで得点できなくなり、3球目攻撃で一発で決めるということが劇的に減少し、サーブを武器にしていた選手は徐々に成績を落としていきました
サーブで得点できなければ、台上の先手の取り合いになりそこからラリーを繰り返して決定打を打つチャンスを見つけるしかないのです
そこで台頭してきた技術が「チキータ」です
これはルール変更前にもコルベル選手がやっていた技術ですが、ルール変更後にサーブで点を取れない以上、台上で先手を取るために一気に有効的な技術として広まりました
現代卓球ではほとんどのレシーブがストップかチキータから始まります
相手に打たせないか、自分から攻めて先手を取るためです
現代卓球ではボールが大きくて速度が落ちたため、一発で決めることは難しくなり、たくさんラリーができる選手がどんどん頭角を現してきました
クレアンガ、荘智淵(字違ったらすみません)、ジュ・セヒュク、水谷隼、王皓、馬龍、張継科…
まだまだ他にも多くいますが、これらの現代卓球で活躍している選手の共通点はオールラウンドでフォアでもバックでも同じように得点できるということです
フォア対バックのドライブの引き合いなんて昔はほとんどありませんでしたが、今では当たり前のようにしています
卓球はテーブルテニスと言いますが、まさに本物のテニスのようにフォアもバックも同じように振ってたくさんラリーが続く競技になりました
見ている方はかなり見やすくて面白いと思える競技になりましたが、選手はより枠にとらわれない自由な発想と何回もラリーを繰り返してようやく一点を取る忍耐力が必要になるでしょう
ルールの変更によって卓球はよりあの小さな卓球台には収まりきらないダイナミックで見応えのある競技に進化してきました
昔ももちろんダイナミックなプレーはたくさんありましたが、今との違いはよりラリーがたくさん続く本当の卓球らしい卓球に進化していることでしょう
卓球を見る方もやる方もそういった本来の卓球の楽しみを味わいながらプレーすると、より一層卓球の奥深さや醍醐味がわかるのではないでしょうか
是非卓球の歴史などを知りながら、今と昔を比べて現代卓球を見ることでまた違った新しい見方ができるようになるでしょう
これを読んでくださった方が、充実した卓球ライフが送れることを願っております
それでは。
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